北海道共同募金会は、組織の会計責任者を務める事務局長が、寄付金を着服していた可能性が高いと明らかにした。募金を扱う団体の幹部による不正が疑われる事態となり、寄付した人々の善意が損なわれかねない問題として注目されている。
着服した疑いがあるのは、五十代の事務局長だ。事務局長は会計責任者の立場にあり、北海道では年間およそ六億円から七億円で推移する寄付金を、一人で管理していたという。資金を一手に握る立場が、不正を可能にした背景にあるとみられている。
着服していたとみられる金額は、およそ一億八千万円に上るとみられている。問題とされる行為は二〇二〇年頃から続いていたとみられ、短期間ではなく複数年にわたって繰り返されていた可能性があるとされる。
募金会では外部の会計士による監査も毎年行われていたが、不正は発覚していなかった。年度末に取引業者から一時的に金銭を借り入れ、決算を越えた後に返済するといった処理や、理事会の承認のない議事録を作成して金融機関から相当額を借り入れる行為が確認されている。
これらの行為によって、生じた不足金を一時的に補っていたと考えられている。決算の時期に合わせて資金をやり繰りすることで、監査の場でも不正が表面化しにくくなっていた可能性があるとみられる。
着服の対象となったのは、赤い羽根募金などを通じて集められた寄付金だった。多くの人が福祉などのために寄せた善意の資金であり、本来の目的に使われるべきものが私的に流用された疑いが持たれている。
事態を受けて、募金会は助成金の交付を一時停止している。助成金は備品の購入に加え、ものづくりを行う障害者の工賃にも充てられており、交付の停止は支援を受ける現場にも影響を及ぼすおそれがある。
募金会は、事務局長を懲戒解雇する方針で、刑事告訴も検討している。一方で、事務局長本人とは連絡が取れておらず、具体的に何に使ったのかについては話を聞けていないとしており、使途を含めた全容の解明が今後の課題となる。
