東京都北区滝野川にある滝野川第三小学校で火事があった。火が出たのは午前11時前で、校舎の4階から炎が上がった。現場には消防のポンプ車などおよそ74台が出動し、大規模な消火活動が行われた。学校は住宅などが密集する地域にあり、一時、上空には黒い煙が確認された。
火元となったのは、4階にある音楽室の隣の音楽準備室だとみられている。火が出た当時、隣接する音楽室では5年生の授業が行われていたという。児童の一人が焦げ臭いにおいに気づいたという証言もあり、午前10時55分に火災報知機が作動して消防に通報された。その後の警視庁への取材で、音楽を担当する女性教師が火元の音楽準備室でサーキュレーターを使って洗濯物を乾かしていたとみられることが分かった。出火場所の付近では電気ストーブや焼けたテーブルタップが見つかったとされるが、専門家は火の気のないストーブが突然発火するとは考えにくいとも指摘しているうえ、学校側も準備室にストーブが置かれていたかどうかは確認できていないとしており、出火の原因はまだ特定されていない。警視庁はこの女性教師を重要参考人として任意で話を聞き、失火の疑いも視野に捜査を進めている。その後の捜査では、音楽準備室にあった3カ所のコンセントのうち1カ所が特に激しく燃えており、電源プラグが差し込まれたまま電源コードが焼き切れた状態で見つかったことや、周辺に20本以上の針金製のハンガーが重なり、近くに焼けたタオルが1枚あったことも判明した。ただ、これらが出火とどう関係するのかはまだ分かっていない。
この火事で、4階の音楽室などおよそ200平方メートルが焼けた。校舎の4階部分が黒く焼けている様子が確認されており、被害は主にこの階に集中したとみられる。火は出火からおよそ1時間半後、正午過ぎにほぼ消し止められた。
発生当初は小学生3人が逃げ遅れていたと伝えられたが、その後の確認で、火元の音楽準備室前の廊下に煙が充満したため、児童や教員ら合わせて26人が一時取り残されていたことが分かった。この火災で合わせて11人がけがをし、重傷を負ったのは腕や肘の骨を折った10歳の男子児童2人と、骨盤を折った40代の女性教員だった。残る児童6人と教師2人は軽傷で、児童8人を含む11人が搬送された。校舎には救助袋や避難はしごが備え付けられておらず、音楽室や準備室にスプリンクラーも設置されていなかったとみられている。逃げ場を失った児童らは、4階と3階の間にある幅およそ54センチの庇の上に身を寄せた。手すりも柵もなく高さおよそ10メートルの危険な場所で、10人以上が炎や煙、そして転落の恐怖と戦いながら救助を待ち、駆けつけた消防隊員がはしごで一人ずつ救助していった。重傷の児童1人はこの日の夜に左腕の骨折で入院し、教員2人も入院した。
火が出た際、児童の多くは校庭や学校の外に避難していたとみられている。火がほぼ消し止められたことを受けて、児童らは続々と校内に戻り、いったん体育館に集まっているという。授業中の出火だったため、児童の安全確保が最優先で進められた。
学校側によると、滝野川第三小学校は6月22日を臨時休校とする方針だという。北区は、保護者や近隣住民、関係者に心配や迷惑をかけたとして陳謝し、出火原因は消防機関による翌日の現場検証の報告を待つとしたうえで、原因が明らかになり次第、再発防止策を講じる考えを示した。その後改めて開かれた保護者会では、区が火事のあった校舎の改築を検討するとともに、7月から学年ごとに周辺の学校へ分散登校してもらう方針を説明したという。
現場となった滝野川第三小学校は、都電荒川線の飛鳥山駅からおよそ160メートルの場所にある。周囲には住宅が密集しており、警視庁と東京消防庁が、出火の原因や当時の状況について詳しく調べている。










