大阪国税局の職員が、警察官を名乗る人物にだまされて、納税者の個人情報を漏えいしていたことが明らかになりました。職員は、協力しなければ自分が逮捕されると思い込み、二百五十九件にのぼる納税者の情報を外部に渡してしまったとされていて、国税庁はこの職員を守秘義務違反の疑いで書類送検しました。
国税庁によりますと、問題となっているのは、大阪国税局に勤める職員です。この職員は、ことし四月、仕事で使っている携帯電話に、千葉県警を名乗る人物から連絡を受けました。相手は、ある事件の捜査に関連して、職員に嫌疑がかかっているなどと告げてきたということです。
警察を名乗る相手からそうした連絡を受けた職員は、不安に駆られたとみられます。職員は、警察に協力しなければ自分が逮捕されてしまうと思い込んでしまい、相手の要求に応じる形で、業務上知り得た納税者の個人情報を渡してしまったということです。
漏えいされた情報は、一件や二件にとどまりませんでした。職員が外部に渡してしまった納税者の情報は、合わせて二百五十九件分にのぼるとされています。税務にかかわる職員が扱う、本来は厳重に守られるべき個人情報が、これだけの規模で流出した形です。
情報を漏らされた納税者にとって、被害はそれだけでは終わりませんでした。情報が渡ったあと、これらの納税者のもとには、警察や国税局などを名乗る、詐欺と思われる電話が、これまでに十四件かかってきていたということです。漏えいした情報が、実際に詐欺の手口に悪用された疑いが浮かんでいます。
こうした事態を受けて、国税庁は対応に乗り出しました。国税庁は、この職員を守秘義務違反の疑いで書類送検したと発表しています。納税者の信頼を預かる立場でありながら、その情報を外部に漏らしてしまった責任が問われることになります。
書類送検された職員は、きょう付けで依願退職したということです。警察官をかたって相手を信じ込ませ、情報を引き出そうとする手口は巧妙化しており、今回は公務員までもがその標的となりました。納税者の個人情報をどう守っていくのか、行政側の管理体制も改めて問われる事態となっています。
