本日22時29分ごろ、山梨県東部の富士五湖を震源とする地震が発生し、山梨県富士河口湖町で最大震度6弱の強い揺れを観測した。富士五湖周辺を中心に大きな揺れが広がり、住民に強い不安を与える規模の地震となった。
気象当局によると、この地震のマグニチュードは5.6と推定され、震源の深さはおよそ20キロとされている。震源が比較的浅いことに加え、震源に近い富士河口湖町で震度6弱という強い揺れが記録された点が、今回の地震の特徴となっている。
強い揺れは山梨県東部だけでなく神奈川県などでも感じられ、震源から離れた東京でも揺れが伝わった。スタジオのある六本木でもかなり大きな揺れを感じたほか、東京都内では震度2や3が入り混じる形で観測され、揺れのエネルギーが伝わる方向が一様でなかったとみられている。
政府は地震発生後ただちに首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置し、関係省庁の局長級による緊急参集チームを招集した。総理大臣は、避難や被害に関する情報を国民へ適時的確に提供するよう指示しており、政府は被害状況の把握を急ぐとともに、人命第一の方針のもとで救命救助などの災害応急対策に総力を挙げている。
救命救助活動は、警察、消防、自衛隊、海上保安庁を中心に最優先で進められる方針で、政府は自治体とも緊密に連携を図るとしている。厚生労働省によると、全国の医療機関が被災状況を共有する広域災害救急医療情報システム、EMISには現時点で被害の報告は入っておらず、関東や隣接する東海地方の災害派遣医療チーム、DMATが速やかに出動できるよう待機している。東海道新幹線では強い揺れが観測されたため、東京と静岡の間で運転を見合わせているとの報告が入っている。
政府によると、この地震による津波の心配はないことが確認されている。原子力関連施設についても、静岡県御前崎市にある浜岡原子力発電所を含め、現時点で異常があったとの報告は入っていないという。また、震源に近い富士山についても、火山活動に異常は確認されていないとしており、津波、原子力、火山という大きな懸念のいずれについても、これまでのところ異常は報告されていない。
専門家は、神奈川県西部から富士五湖にかけての一帯では深さ20キロ程度の地震が時折発生するとし、ほぼ同じ地域では2012年にマグニチュード5.4、震度5弱の地震が起きたのが最も近い例だと指摘した。前日に青森県で震度6強の地震が、当日には岩手県南部でも地震が観測されているが、これらは場所もメカニズムも異なり、関連はなく偶然との見方が示された。
さらに専門家は、現在は大雨が降っており、台風による大雨のピークも翌日に控えていることから、地震で緩んだ地盤で土砂災害などが起きる危険性が高まると警告した。普段なら大丈夫と思える程度の雨でも警戒のレベルを一段引き上げ、当面は余震に注意しながら身の回りの備えを確認するよう求めている。気象当局は、東日本の太平洋側に接近する台風8号や台風7号の影響で、関東や東海を中心に多いところで200ミリ以上の大雨となる恐れがあるとして、低い土地の浸水や河川の増水、氾濫への警戒も呼びかけている。
