EVO France 2026がニースで2万人規模の記録を打ち立て、2027年はパリ開催へ。SF6部門の覇者Dual Kevinの快挙と、格闘ゲームコミュニティの進化の軌跡を徹底解説。
2026年10月11日、ニースのパレ・デ・エクスポジションは2万人近い熱狂的な観客と、95カ国から集結した競技者で溢れかえっていた。これは単なる大会の終了ではなく、欧州最大級の格闘ゲームイベントがその規模の限界に到達した瞬間でもあった。EVO Franceの主催団体N.E.O.は、この記録的な成功を皮切りに、2027年の第3回大会をパリで開催すると正式に発表した。
ニースが築いた基盤とパリの野心
ニースでの開催は、EVO Franceが欧州の重要イベントとして確立されるための土台作りだった。Bertand Amar氏率いるN.E.O.が感謝を述べるように、ニースの2大会は国際的なプレイヤーや視聴者を地中海沿岸に集めることに成功した。しかし、さらに大きな成長を遂げるためには、物理的な制約を突破する必要があった。
パリは、その巨大な会場と、世界中からアクセスしやすい国際的な交通網を備えている。組織委員会は、この移転を通じて大会を世界的な大規模eスポーツ・コミュニティイベントの一つに育て上げるという明確なビジョンを持っている。これは、単なる規模の拡大ではなく、質的な変化を求めている。
2027年10月22日から24日にかけて行われる予定のパリ大会は、EVOの25周年記念となるラスベガス大会の前哨戦としても位置づけられる。欧州での成功が、世界の格闘ゲームシーン全体の活性化にどう寄与するか、その答え合わせがこれから始まる。

Dual KevinのRashid、SF6メタを支配
今回のEVO France 2026のハイライトは、Street Fighter 6部門でアメリカのDual Kevin氏が優勝を果たしたことだった。彼はCrazy Raccoon所属の日本人選手Tachikawa氏と決勝で対戦し、激しい戦いの末に3対2で勝利を収めた。この勝利により、彼は5万ユーロの総賞金から2万ユーロを獲得するとともに、Capcom Cup 13への直切りの切符を手に入れた。
Dual Kevin氏はRashidというキャラクターを駆使し、シーズン4のDLCキャラクターが追加された後のメタの変化を巧みに利用した。特に、イギリスのProblem X氏が新キャラクターIngridで5位6位に入賞するなど、新勢力が台頭する中での勝利は、彼の適応力と実力の深さを如実に示している。
決勝戦では、Tachikawa氏がC. Viperで初シリーズを3対1で落とし、ブラケットリセットを誘発するという緊張感の高い展開となった。しかし、決着戦で逆転勝利を収めたDual Kevin氏のメンタルの強さは、eスポーツの醍醐味を象徴するものだった。

Capcom Cup 13への道とメタの流動性
EVO France 2026の終了は、Capcom Pro Tourの主要なオフライン予選が事実上終わったことを意味する。これにより、選手たちは残りのチャンスをWorld Warriorシリーズのイベントに頼ることになる。最終決戦となるCapcom Cup 13は、2027年3月10日から14日にかけて東京で開催される予定だ。
現在のメタは、バランス調整と新キャラクターの追加により流動的だ。C. ViperやGuileといったキャラクターがトーナメントの上位で確固たる地位を確立している一方、新キャラクターIngridのような変数も存在する。東京での最終戦に向けて、どのキャラクターが最終的にメタを支配するのか、その予測が難しい状況が続いている。

eスポーツのグローバル拡大戦略
EVO Franceのパリ移転は、RTS社が所有・運営するグローバルなEVOサーキット全体の拡大戦略の一部でもある。Stuart Saw氏は、過去2年間の欧州での成功が、この規模の大会に対する欧州の需要の強さを証明したと述べている。
今後は、シンガポール、モロッコ、ブラジルといった新たな地域でのイベントも計画されており、アメリカ、日本、フランスに続く新たな拠点として位置づけられる。このグローバルな展開は、格闘ゲームeスポーツが地域を超えて、真に国際的な産業へと成長していく過程を示している。
格闘ゲームの未来を占う
ニースからパリへ、そして東京へ。EVO Franceの進化は、格闘ゲームコミュニティが単なるファンによる集まりから、組織化されたグローバルなeスポーツ産業へと変貌したことを示している。Dual Kevin氏のようなトッププレイヤーの実力と、組織側の戦略的な拡大が組み合わさることで、このジャンルはさらに大きな飛躍を遂げようとしている。
2027年のパリ大会では、ニースで達成された2万人という数字がさらに上回ることが期待される。東京でのCapcom Cup 13に向けた熱狂が、欧州の会場でも再燃する時、格闘ゲームの未来はより鮮明なものになるだろう。
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