2026年のオリオン座流星群は10月22日ごろに極大をむかえます。母天体はあのハレー彗星。速くて美しい流れ星を、特別な道具なしで楽しむための見頃の時間帯と観察のコツを、やさしくご紹介します。
流れ星と聞くと、なかなか見ることのできない特別なものというイメージを持つ方も多いかもしれません。けれども流星群の時期には、空の条件さえうまく整えば、一晩に数十個もの流れ星に出会えることも決してめずらしくありません。今回はその見どころと、初めての方でも楽しめる観察のコツを、やさしくご紹介していきます。
秋の夜空を彩る流れ星
そもそも流星、いわゆる流れ星の正体は、宇宙空間をただよっている小さなちりの粒だと考えられています。この粒が地球の大気に高速で飛びこみ、猛烈な速さで空気とこすれ合って熱を持つことで、ほんの一瞬だけ夜空に明るく光って見える。これが、流れ星が生まれる基本的な仕組みなのです。
流星群とは、こうした小さなちりの粒が、一年のうちの特定の時期に集中して地球にふりそそぐ現象のことをいいます。毎年ほぼ決まった時期にくり返しやってくるため、あらかじめおおよその日づけを知っておけば、私たちの側でも余裕をもって計画を立て、じっくりと観察を楽しむことができます。
極大はいつ?見頃の時間帯
各種の資料によると、2026年のオリオン座流星群は10月の初めごろから11月の初めごろにかけて活動し、10月22日の午前3時半ごろに、もっとも流星の数が増える極大をむかえると予測されています。まさに秋がいちだんと深まっていく、この時期ならではのうれしい楽しみといえるでしょう。
数ある時間帯の中でもとりわけおすすめなのが、22日の午前2時から午前4時ごろにかけての時間帯です。この時間は月明かりの影響が比較的少なく、空がぐっと暗くなるため、より多くの流れ星を見つけやすくなります。極大の前後にあたる21日の夜や23日の夜も、十分に観察のチャンスがあります。
母天体はあのハレー彗星
このオリオン座流星群には、実は知るほどにロマンを感じる背景があります。地球へとふりそそぐちりの粒は、約76年ごとに太陽の近くへとやってくることで世界的に有名な、あの「ハレー彗星」が、遠い昔にその軌道上へまき散らしていったものだと考えられているのです。
つまり私たちが夜空に見上げる一つ一つの流れ星は、はるか昔にハレー彗星が宇宙に残していった小さなかけらの、最後のかがやきともいえる存在です。オリオン座流星群の流れ星は飛ぶ速度が非常に速く、長くて美しい光の筋を引くことが多いのも、この流星群の大きな特徴のひとつだとされています。
どこを見ればいい?放射点のはなし
「オリオン座流星群」という名前を聞くと、オリオン座のあたりだけをじっと見つめていればよいと思うかもしれませんが、じつはそうとは限りません。流れ星は放射点と呼ばれる空の一点を中心にして、そこから空全体のあらゆる方向へと、四方八方へにぎやかに飛んでいくからです。
そのため、特定の星座だけをむきになって探すよりも、なるべく空の広い範囲を、力を抜いてぼんやりとながめているほうがおすすめです。東京では10月21日の午後9時ごろに放射点が東北東の空へと昇りはじめ、夜がふけていくにつれて、いよいよ観察の絶好の機会がおとずれます。
上手に観察するコツ

流れ星を上手に見るために、いちばん大切なポイントは、なんといっても観察する場所選びです。街の明かりからできるだけ離れ、周囲が暗く、空が広く開けた場所を選ぶだけで、実際に見える流れ星の数はぐっと増えます。もちろん、安全にきちんと配慮できる場所を選ぶことも、どうか忘れないでください。
また、目を夜の暗さにしっかり慣れさせるために、外に出てからの十数分ほどは、スマートフォンの明るい画面をなるべく見ないようにするのが観察の大切なコツです。秋の夜はぐっと冷えこむことも多いので、あたたかい服装や敷物をあらかじめ用意して、のんびりと空を見上げながら待ちましょう。
宇宙の歴史に思いをはせて
空の条件などが理想的にそろえば、一時間あたりおよそ15個から25個ほどの流れ星が期待できるとされています。けれども、見えた数の多い少ないにあまりこだわらず、暗い夜空の中でふっと一瞬だけ光る流星を静かに待つ、その時間そのものが、とても豊かでぜいたくなものに感じられるはずです。
私たちが見上げた先を静かに流れていく小さな光は、遠い宇宙の、とてつもなく長い歴史とたしかにつながっています。忙しい毎日の中でほんの少しだけ立ち止まり、頭上に広がる壮大な物語にそっと思いをはせる。オリオン座流星群は、そんなぜいたくなひとときを、私たちにそっと贈ってくれる存在なのです。

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